服について勉強したいけど、事情があって専門学校にいけない人は多くいます。私もその一人でした。
そんなとき、インターネットで通信教育があることを知りましたが、詳しく書いてある記事はあまりありません。初心者の方向けに、少しでも不安が小さくなったら、そんな思いでこのページは作られました。情報を共有して、一緒に服作りについて学びましょう!
「文化服装学院 通信教育」申し込むと
申し込み・受講料の支払いを済ませると、教科書などが送付されます。
この教科書を参考に、型紙をつくる「作図」や、服を縫う「縫製」などを自宅で行います。一から自分ですべて行うのが、通信教育のすごいところです。完成したら、感想を書いて文化服装学院へ送付します。
教科書は7冊ある(Photo : あすかた)
一番初めにやることは、自分の「原型」を作図すること
ざっくり言えば、原型はあなたの体を布で型取るイメージです。これをもとにしていろんなかたちの服を作っていきます。もとになる型紙は建築で言えば基礎の部分。ここで手を抜いてしまえば、どんな立派な建物を作ろうと思っても基礎がしっかり出来ていないと良い家は建てられません。
原型がきちんとできていれば、あとの課題はサクサクすすむのでここは手を抜かずに取り組みましょう。(原型の大切さがわかる関連記事はこちら:通信教育をサクサクすすめるコツより)
ブランドごとに原型は違う
AのブランドではサイズがMでちょうどいいのに、BのブランドではLサイズがちょうどいい。何でブランドごとにサイズが違うの??
そんな風に思ったあなた。これって、実は原型の違いから来ているんです。ブランドごとにイメージの体型が設定されており、これをもとに原型というものが作られます。よって、細めの体型を原型に使っているブランドであれば、サイズは全体的に小さくなります。
自分にあったブランドを探すということは、自分にあった体型を原型に使っているブランドを探すということです。ぜひ、お店のサイズ表(ヌードサイズ)を確認して、自分に合ったものか確認してみましょう。
料金や受講期間
最大で5年間、通信講座を受講することができます。
受講料は、基本的な服作りを学べる「服装コース」で50,000円です。
最後までやり遂げるには、スケジュール管理がとても大切。といっても、どうやって管理していけばいいかわからない。そう思ったあなた。私がおススメする方法は、
手をつけたら、一気に最終課題まで仕上げてしまう!こと。
ただ、通信教育に事情はつきもの。育児や介護、学業が大変で途中で止まってしまうことも多々あります。文化服装学院の通信教育は、最大で5年間も受講することができるので、本当に諦めて辞めてしまわない限り、自分のペースで最後までできるのが最大のメリットです。ただ、ポイントは一気に!をおススメします。
道具は自分で揃える必要がある
教材には、作図で使う道具全てがついてくるわけではありません。製図用定規、カーブルーラー、メジャー、分度器、文鎮、シーチング生地など、その他縫製道具などは各自で用意します。
おススメの製図用紙
作図・製図用紙は教材のキットでついてはきますが、足りなくなることがほとんどだと思います。製図用紙はまっさらなタイプでも提出可能です。私はプロのパタンナーさんから教えていただたこの用紙で普段から製図をしています。用紙の厚さも選べて、価格も魅力的でおススメです。
通信教育の注意点
“ロスタイムがある”
通信教育全般に言えることかと思いますが、
課題を提出(送付)してから返却されるまでに、ロスタイムがあることは念頭に置いておきましょう。
文化服装学院通信教育(服装コース)の場合では、ロスタイムはおよそ1か月程度を見ていた方が無難です。(作図のみの場合は1~2週間で返却されることもあります)
このロスタイムの間に次の課題に取り組める場合もありますが、返却されるまでそれができない場合もあります。
時間に余裕をもったスケジュールを組んで、課題に取り組むのがよいでしょう。
「根詰める」は体を壊す
スケジュールを組まないまま進めて、期限がギリギリになってしまう方も少なくありません。
だからといって、根詰めて作業をすると必ず体を壊します。実際に私が経験したのが、期限を勘違いしており、1週間で課題のコートを提出しなければならなくなった時のことです。デザイン決めから縫製まで、1週間。しかも、なぜか芯地は手縫い用を買ってしまうというミスをおかし、朝から晩まで同じ姿勢で作業をしていました。
完成して、あとは課題ノートに感想を書いて終わり…という最後のタイミングで、突然信じられないほどの頭痛が襲ってきたのです。次の日には立つことさえままならず、何とか課題を郵便局へ投函したのち、1週間寝たきりになってしまいました。
寝たきりとはこういうことか、トイレ以外はずっと寝たきり状態。食事もすべてネット注文、子供に受け取ってもらうというありさま。もちろんご飯も座ってさえ食べられませんでした。あまりの痛さに次の週に整形外科に行くと、MRIを取られる有様。重度の首コリ・肩こりからくるものだと判明し、数か月リハビリで治療を受ける羽目になりました。
この体験は身をもって経験してはならないことです。
私は、この体験以降、同じ姿勢で行うような作業は長時間行いません。長くて2時間程度と決めています。プロのスポーツ選手と同じように、上手に体と向き合っていかなければ、体はすぐに壊れてしまいます。そして、一度体を痛めてしまうとなかなか元には戻りません。
適度に休憩を取りながら、一日の間で無理のない範囲で課題に取り組みましょう。
2023年12月7日 追記・編集 内野