軽くて分厚い、ボンディング生地のメリット・デメリット

ボンディング生地とは

ボンディング生地は「接着剤」を使っている

近年よく見かける「ボンディング生地」と呼ばれる服をご存じでしょうか。

“ボンディング”とは読んで字のごとく、ボンドした布、つまり接着した布という意味です。2種類の異なる素材を貼り合わせ、接着剤を用いて1枚の生地にしたものをボンディング生地といいます。

ボンディング生地は、触ってみると厚みがあり、軽く暖かそうな印象のものが多いです。冬が近づいてくると見かける素材です。

このボンディング生地、ポリウレタン樹脂というもので接着されていることが多いです。ポリウレタンという素材は、別記事タグでわかる”寿命の短い服”でも以前ご紹介していますが、少し注意が必要な素材です。

生地の寿命は長くはない

ポリウレタンは経時劣化しやすい素材です。衣服では、きちんと手入れをしても寿命は2~3年と言われています。(論文によっては4~5年と記載されているものもあります。)

ポリウレタンを使った生地は、できあがってからすぐに劣化が始まります

服の寿命lifespan of clothes

生地が完成したのち、メーカーが衣服を生産し店頭に並べます。ここまでで相当な日数がかかることは容易に想像がつきます。購入する頃には、新商品であっても、少なからず劣化が進んでいる状態になっているのです。

コートなど、重衣料を数年に1度買い替えたい!という人は別ですが、長く愛用したいアイテムは、素材をよくみてみましょう。接着剤などの成分については、品質表示には記載されていません。食品の成分表示も、条件によっては記載しなくていいものがたくさんあります。それと似たようなことが、アパレルにも存在しています。

寿命が早かった下着(筆者の体験談)

ポリウレタンが含まれている服や下着はたくさんありますが、含有率が高いと、寿命が来た時に急激に品質が悪くなってしまいます。

私の実体験ですが、あるファストファッションブランドで、付け心地のよさそうな下着を買ったことがあります。この下着、ポリウレタンの含有率が他のものと比べてかなり高かったのですが、それと知りつつ買ってみました。

予想は的中。この下着は、1~2年のうちに着用困難なほどゆるゆるになってしまい、使い物にならなくなってしまいました。ポリウレタンが劣化したことで、ゴムの機能はなくなってしまったのです。

ただ、私はポリウレタンの寿命を知っていましたので、そこまで驚くこともなく、新しいものに買い替えました。

このように、ポリウレタンの寿命を知っていれば、服の状態が変わることに感情的にならずに対処できます。これは別にポリウレタンが悪だ!というわけではありません。

見た目がキレイでしわになりづらいのが最大のメリット!

服を選ぶ

多くのボンディング生地は、しわになりずらいのがメリットとしてあげられます。洗濯やアイロンがしにくいコートであれば、手入れも楽で、見た目にも美しいまま使うことができます。

この時期出回るボンディング生地の服、その素材の特徴をよく知ったうえで購入しましょう。

これと似た記事はこちら「タグでわかる”寿命の短い服”


ASUKATAでは、「なんで?」「どうして?」を大切に、独学から出発したいろいろな考え方をブログで紹介しています。答えはひとつじゃない、いろいろな方向から考えてみましょう!ではまた。

2024/12/28 追記・編集 内野

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