骨格診断で「自分の似合う服を見つけられなかった」という方にお伝えしたいのは、「大丈夫。気にしないで!」ということ。だって、服を作る側は骨格だけで服は作っていないのです。安心してください。
はじめに
あらかじめこの記事で注意していただきたいことがあります。「骨格診断」は適切に使えば素晴らしい手段になりえるということです。この記事は、骨格診断自体を否定するものではありません。「手段のひとつ」として理解していただきたいという思いで、記事を書きましたことをご承知ください。
さて、これから骨格診断に支配されないようにするために、その特徴と対策を見ていきましょう。
特徴①とにかく情報の海へ飛び込みがち
骨格診断に支配されている人は、まずは診断、それをもとに検索、検索、検索…。あたかも情報の中に自分の答えがあるかのような行動をとりがちです。思い当たるふしがある人は要注意かもしれません。
たしかに自分の骨格を知ることは大変すばらしいことです。ですが、情報過多の時代、この海へ飛び出したならば、目的を見失わずに泳ぎ切ることは並大抵のことではありません。
とにかく情報の海へ飛び込んでしまう方たちは、準備することを忘れています。本当の海に行くときには、何をするのかあなたは明確にしていくはずです(泳ぎに行く、釣りをする、眺める、クルージングやシュノーケリングなど)。泳ぎ方もしらず、準備運動もせずにとつぜん海に飛び込むような人はいません。
特徴②自分のことを知らない
自分に似合う服を探すとき、骨格診断も手段のひとつとして活用するのは賛成ですが、それよりもまずやらなければならないことがあります。
それは、自分自身を知ることです。
敵を知り己を知れば百戦殆うからず
孫氏の兵法で有名な言葉ですね。戦いに行くわけではありませんが、何に置いても「自分自身を知る」ことは大切だということがわかります。
今回この記事を書くにあたって、自宅にある本棚から3冊ほど参考にした書籍があります(※)。これらを見て驚いたことがありました。
それは、すべてにおいて一番大事なことは「自分を知ること」だったのです。
骨格診断に支配されているかもしれないと思った場合、まず立ち戻るべきところは「自分」ということだったのです。
自分を知る方法
自分自身について知ることは、様々な角度から見てみる必要があります。これから紹介するのは、ほんの一例です。
服を作る側では、どんなときに着ていく服かをかならず想像します。なぜなら、それによって服の形が変わってくるからです。デザインも変わればゆるみ分量も変わってきます。こんなことまで考えて、服は作られています。
ここで思い出すのは、ユニクロの柳井氏のコロナ渦の言葉です。
「時代が変われば生活スタイルが変わり、お客さまが求めるものが変わる」
つまり、服は生活スタイルに根差したものであり、自身の生活スタイルを知ることは服を選ぶ際の大事なポイントである、ということが分かります。
生活スタイルがわかっても、まだ情報の海に溺れてしまいます。その特徴は
特徴③自分なりの「基準」を決めていない
骨格診断に支配されてしまう、情報の海に溺れてしまう人の特徴は、基準を決めていないことがあげられます。基準がなければ、左右されすぎてしまい、挙句の果てには疲弊だけしてしまうといった状況になりかねません。
そうならないためにも、自分を知った後に、いくつか基準を決めていきましょう。
- 着ないもの(デザイン、柄、色)を決める
- 自分の「制服」を作る
- 「らしさ」は「小物」で作る
この中で、自分の制服を作るについては、佐藤治子さんの書籍に素敵な例が載っていました。タイトめなスカートに、白シャツとグレーのカーディガン、そしてスカーフ。これが彼女の制服だそうです。おしゃれって、こういうことなんだな、と改めて感じる書籍でおススメです。
また似合う服を探すのは大変労力が必要ですが、普通の服を「小物」を使うことで、らしさを作り出すこともできます。つまり、似合ってる!という服に変貌させてくれるのが小物使いです。
「ソーイング・ビー」エズメ・ヤング(Esme Yong)さん
裁縫バトルの人気番組でおなじみの彼女ですが、特徴はなんといってもインパクトのあるネックレス!彼女のトレードマークでもあります。派手な衣装のときもありますが、ほとんどはシンプルな服にインパクトのあるネックレス!というスタイルの彼女。らしさが溢れていて、本当に素敵なのです。
こういったように、似合う服ばかりに気をとらわれずに、小物で自分に似合うようにアレンジしてしまう、というのも素敵な方法です。こんな方法もあるんだ、ということを知るだけでも、今後に役立つはず。エズメ氏のネックレスでなくても、他にも
・手袋・ストール・スカーフ・帽子・ピアス
などがあります。また、「色づかい」や「肌みせ(Vネック、袖まくり、裾まくり)」なども参考にしてみましょう。
次に、骨格診断に支配されている特徴としてあげられるのが
特徴④自分の「感覚」を大事にしていない
つまり、自分の感覚が一番だということです。今は情報があまりに多く、いろんな方向から自分のことを診断してくれます。
ですが、どんなサイトよりも、自分のことは自分が一番知っているもの。
どこの誰だかわからない人に決められた服を、気持ちが乗らないなぁと思いながら着る。そこには自分が存在しているのでしょうか。最後は自分の「感覚」が大事です!
感覚といっても、と分かりづらいことかもしれません。そんなときのフレーズは
「心地よいと感じるかどうか」を気にしてみてください。
実は、服の心地よさを決める要因はいくつもあります。
ざっとあげても、服自体によるものや、社会的な意味をもつもの、様々な要素が絡み合って、自身の「心地よい服」がきまってくることがわかります。またTPO(時と場所、場合)によっても服は変わってきます。
心地よさを意識して、賢く服を買いましょう!
まとめ
これらの対策としては、
・自分自身を知る
→ライフスタイル、イベント、クローゼットの中から
・自分の基準をつくる
→着ないもの(デザイン、柄、色)を決める、制服を作る、小物を使う
・自分の「心地よい」を知る
骨格は同じまま歳をとるかもしれませんが、体型はといえば、歳とともに変化していくのが通常の考え方です。もちろん、服を作る私たちはそのことをよく理解しています。ですから「キッズ」や「ヤング」、「ミセス」などのカテゴリーができるわけです。これらは原型が違います。原型とは服を作る際にもとにする体型をいいますが、骨格という概念はあまりありません。どちらかといえば、バストの大きさや下がり具合、背中や腰回りの肉付きの違いが原型に汲み取られているように思います。
これからわかることは、いかに己を知ることが大事かということです。
それは年齢や、ライフスタイルの変化とともに変わっていくものでもあります。変化とともに、あなたにあったスタイルができますように。
ASUKATAでは、賢く服を買い、長く愛用するために「服活」として、服を作る立場から情報を発信しています。
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※参考書籍