服活とは
衣服に対して能動的に学び、豊かな暮らしを目指す活動のことを、私は服活と呼ぶことにしました。
食事については、食育という言葉があるくらいですから、みなさん必死に勉強されます。健康にかかわることですから、当たり前かもしれません。服は現在、少しお荷物のような存在になっているのかもしれません。服を買いに行っても欲しいと思えるものがなかったり、体型に合うサイズがなかったり、通販で購入した服が思っていたものと違っていたりと、ガッカリした経験がみなさんあるのではないでしょうか。服について考えると、わくわくした気持ちよりも、面倒な気持ちの方が勝ってしまうことも少なくないのではないでしょうか。
そもそも服を着るということは
衣服とは、そもそもは体温を保持し、外傷から身を守る役割を持っています。ICUに入っている小さな赤ちゃんでさえ、裸でいるよりも衣服を着ていた方が体調が安定するそうです。それほど衣服を着るということは健康面で大変重要な役割を持っています。
加えて、社会で生きていくうえでの属性を示す役割もあります。医者の白衣や学生の制服などはわかりやすい例えです。現代では、社会的な属性を示す役割がだんだんと薄らいできている印象です。今では自己の表現という人の方が多いのかもしれません。
ですが、どんなことがあってもこれから先、一生衣服と付き合っていくわけですからストレスのない服との付き合い方を知っておく必要があります。
私たちは「ヌードサイズ」しか知らない?
食材や料理の仕方などはよく知っていても、衣服の素材や作り方などを知っている人はそう多くはないでしょう。衣服について勉強することは、自分の体をよく知ることでもあります。
ご自分のウエストやヒップ、バスト”以外”の大きさを、みなさん知っていますか?
ポイントは、「自分の心地よい服のサイズ」を知っておくことです。
この服着心地がいいな、と思った服に出会ったときにはチャンスです。心地よいサイズというのは、自分にしかわかりません。そんな服に出会ったときは、すかさず服のサイズを測りましょう。それを自分の基準にします。
重要なのは、自分のヌードサイズを測るのではなく、服のサイズを測ることです。
「着丈」や「身幅」、「袖幅」など、男女問わず鳩胸の人であれば「胸幅」も測っておくと便利です。
ヌード寸法だけではお客様の心地よいサイズはわかりません。オーダー服を受注するときには、「自分のお気に入りの服、着心地が良いと思っている服があれば見せてください。」とよく聞いています。
判断材料をもっておくことが重要
以上のことから、バストサイズやヒップサイズだけではなく、自分の心地よいサイズを知っておく必要があります。
どうしてこんなに言うのかというと、そのサイズを知っておくことは服を買うときの判断材料になるからです。様々なものが溢れている世の中ですから、誘惑もとても多いです。判断材料をもっていないと、どれを買ってよいのかわからなくなってしまいます。
判断材料を持っていることで、少なからず自分にあっていないものは排除できるようになります。どんなにデザインが気に入っても、サイズが合わなければ始めから買う気は起こりませんよね。人は見た目や雰囲気で買い物をしてしまう生き物です。そこにちょっと立ち止まって考えられるようになれば、冷静さを取り戻し無駄な買い物を減らすことができます。
2023/10/26 編集 あすか