あなたの着ているお気に入りの服、袖の大きさは何cmか知っていますか?
服を買いに行ったはいいけれど、買った後にサイズ感が思ったのと違った!そんな経験はみなさん一度や二度どころか、結構あるのではないでしょうか?
どうしてそんな現象が起きてしまうのかというと、「自分の心地よいサイズを把握していない」ためです。自分のバストサイズやヒップサイズではなくて、自分の心地よいと感じる服のサイズを知ることは、賢く買い物をするためには必須な条件です。
大体でいいから、まずは把握すること
キッチリやろうと思うと腰が重くなってしまうので、まずはキッチリではなくても「大体を知る」というところから始めていけばいいかと思います。
今日は袖編なので、そでの心地よいサイズを把握していきましょう。
用意するものは、「お気に入りの服」と「定規」だけ
重要なポイントは、自分にとって心地よい服のサイズを知ることです。自分の腕の太さを知ることではありません。(もちろん測っておいて損はありません。自分の最低ラインの袖幅を知っておくことは大事です。)
まずは、お気に入りの服を用意して、袖をアイロンがけをするときのように袖を広げましょう。
このとき、袖から直角にわきの付け根までの線を測ってみましょう(赤線部分)。この長さを2倍にした数値が、袖の幅=腕周りです。
ここで重要なのは、「腕の太さではない」ということです。腕の太さに関わらず、タイトなものが好きな人もいますし、かなりゆとりのあるものが好きな人もいます。
つまり、お気に入りの服のサイズを測ることで、自分の心地よい「ゆとりのサイズ」がわかるということです。
このゆとりは、生地の違いによって、また服の種類によっても変わってきます。お気に入りの服が見つかったときは、その袖を測っておきましょう。私の場合は、ややフィットした服であれば17.5cm、基本的には18~19cmが心地よいと感じる袖の幅でした。
お店では、自分の手が「ものさし」がわり
ここで少し疑問に感じるのは、このゆとりを服屋さんに行ってどう測ったらよいのかということです。
ここで何かと便利なのは、自分の手の大きさを測っておくことです。
手をしっかり広げて、小指から親指までの長さを測っておきましょう。私は20cm程度ですが、先ほどの心地よい袖幅のサイズは18cmくらい。手の大きさより、気持ち少なめ(-2cmくらい)の袖なら買える、ということがわかります。
手のサイズを知っておくと、いろいろなところで何かとサイズを比較できるのでおススメです。
服作りは、袖の幅をそこまで意識していない
実は、服は袖の幅を決めずに作られていることがほとんどです。
袖をつくるときは、見頃と袖をつなぐ「袖ぐり」という長さと、あとは腕をどれくらい上げたり下げたりするのかを考えて(つまりは運動量です)、作られています。
つまり、袖幅(袖の太さ)は最終的にその幅になるというだけで、バストのように着る人の体型を考えては作られていません。あまりに袖幅が小さいわね、となれば修正が入りますが、基本的にはそこまで気にされる数値ではないです。
ただ、着る側にとっては袖がキツイ、ダブつきすぎるなど、袖の悩みは多くあります。ですので、こちらが判断材料をもっておかないと、バストサイズはいいけど袖はきつい、ということになったりするわけです。
心地よさは人それぞれ
ヌードサイズに「ゆとり」が加わったものが服になります。実はこの「ゆとり」、他人が知ることは非常に難しく、本人以外ではなかなかわかりません。ゆとりを探るのが上手な人が、オーダーメイドスーツで始めに採寸データをとる「フィッター」と呼ばれる人たちです。ベテランのフィッターは採寸だけしているわけではありません。彼らたちは、顧客の着心地のよいゆとりを取り入れた、かつ見た目も美しい寸法を探ってくれます。
私たちは、スーツを仕立てる以外にこの「ゆとり」を気にして服を購入することはあまりありません。しかし、スーツをかうわけではなくとも、自分の心地よいゆとりを知ることはとても重要です。
私たちは、それを知るために服屋へ行く必要はありません。
服を購入する前に、一度ご自身のお気に入りの服を測るだけでいいのです。
これは、いい買い物をするための「ひと手間」とも言えます。
料理でも「ひと手間」は、味を決める大事な要素です。ぜひ、ひと手間をかけてみてください。
心地良い袖の幅を知ることができたあなたは、いままでよりももっと買い物上手になっていることでしょう。
2023/10/31 追記・編集 あすか
このページでは、服を作る立場から、みなさんの服活に寄り添う情報をお届けいたします。
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